プロンプト #(ハッシュ)の使い方を完全解説!AIの回答精度が劇的に向上

こんにちは。hakubi code 代表のてらだです。

ChatGPTやClaude、あるいはGoogleのGeminiなど、生成AIを使っていると、SNSやブログで見かけるプロンプト(指示文)の中に「#」(ハッシュ)という記号が頻繁に使われていることに気づきませんか?「#命令書」や「#制約条件」といった具合です。
なんとなく「見やすくなるからかな?」と思って真似して使っている方も多いようですが、実はこの「#」という記号、AIにとっては単なる飾りや区切り線以上の、ものすごく重要な意味を持っているんです。実は私たちが何気なく入力しているこの記号ひとつが、AIの思考回路を切り替え、回答の精度を劇的に左右するスイッチになっていると言っても過言ではありません。

特に、仕事でAIを使っていて「なんだか指示が伝わりにくいな」「もっと論理的な文章を書いてほしいな」と悩んでいるなら、プロンプトにおける #の使い方をマスターするだけで、その悩みがあっさり解決するかもしれません。
一方で、画像生成AIの世界やプログラミングのコード生成においては、この記号が全く別の意味を持ってくるという落とし穴もあります。ここでは、テキスト生成から画像生成、コーディング支援まで、プロンプトエンジニアリングにおける「#」の真の役割と、明日から使える実践的なテクニックを、専門用語を極力避けて徹底的に解説します。

  • 生成AIが記号「#」(ハッシュ)をどのように認識し、なぜそれが重要なのかを深く理解できます
  • Markdown記法を用いた構造化プロンプトを作成し、回答精度を飛躍的に高める手法が身につきます
  • 画像生成AIやプログラミングにおいて「#」が果たす、テキスト生成とは異なる役割を学べます
  • プロンプトエンジニアリングの基礎となる「AIへの伝え方」の本質を掴み、日々の業務効率を向上させられます
目次

テキスト生成AIでのプロンプトにおける#の使い方と基本

テキスト生成AIでのプロンプトにおける#の使い方と基本

まずは、ChatGPTやClaudeといった「テキスト生成AI(大規模言語モデル)」において、「#」がどのような役割を果たしているのか、その基本原理から見ていきましょう。
多くの人が「なんとなく」で使っているこの記号ですが、AIの学習背景やデータの処理メカニズムを知ることで、「なぜ#を使うべきなのか」が腹落ちするはずです。

ここでは、AIの視点に立った「#」の解釈と、それを活用した具体的なフレームワークについて深掘りしていきます。

記号#が持つ意味とAIによる認識メカニズム

記号#が持つ意味とAIによる認識メカニズム

私たちが普段、SNSのハッシュタグや電話の番号記号として使っている「#(ハッシュタグ・シャープ)」ですが、生成AI、特に大規模言語モデル(LLM)にとっては、これらは単なる文字コード以上の「構造的なシグナル」として機能しています。なぜAIはこれほどまでに「#」を重要視するのでしょうか。その理由は、AIがどのようなデータを食べて(学習して)育ってきたかに深く関係しています。

ChatGPTをはじめとする現在のAIモデルは、インターネット上に存在する膨大なテキストデータを学習していますが、その中にはブログ記事、技術ドキュメント、そしてGitHubなどのソースコードが大量に含まれています。これらの文書の多くは、「Markdown(マークダウン)」という軽量マークアップ言語で記述されています。Markdownにおいて、「#」は行頭に置くことで「見出し(Header)」を意味する、最も基本的な文法の一つです。

AIはこの学習プロセスを通じて、「行頭にある#は、ここから新しいトピックが始まる合図だ」「#の数によって情報の重要度や階層が変わるんだ」というルールを、言語の文脈の一部として深く理解しています。
つまり、プロンプトの中に「#」が登場すると、AIの脳内にある注意機構(Attention Mechanism)が働き、「おっ、ここは文章の構造が変わる重要なポイントだな」と認識モードを切り替えるのです。

もし、プロンプトをすべてベタ打ちの文章で書いてしまうと、AIはどこが指示で、どこが背景説明で、どこが入力データなのかを文脈だけで判断しなければなりません。これではAIに余計な負荷がかかり、解釈ミス(ハルシネーション)の原因になります。しかし、「#」を使って明確に区切ることで、AIに対して「ここを見て!」という強いアンカー(錨)を打ち込むことができるのです。これは人間が長い文章を読むときに、太字の見出しがあるだけで内容がスッと頭に入ってくるのと同じ原理です。

さらに専門的な話をすると、AIはテキストを「トークン」という単位に分解して処理しますが、「#」はその直後のテキストが「見出し」であることを示す特殊なトークンの並びとして処理されやすいため、その後の文章生成における予測精度を高める効果も期待できます。単なる装飾ではなく、AIに対する「ナビゲーション記号」として機能していることを、まずはしっかりと押さえておきましょう。

「#」と「♯」の違いに注意

余談ですが、キーボードの「Shift + 3」で入力されるのは「#(ナンバーサイン/ハッシュ)」であり、音楽記号の「♯(シャープ)」とは厳密には異なる文字です。プロンプトエンジニアリングやプログラミングにおいては、必ず半角の「#」を使用してください。全角の「#」や音楽記号の「♯」では、AIがMarkdownの見出しとして正しく認識しない可能性があります。

Markdown記法の見出しで情報を構造化する

Markdown記法の見出しで情報を構造化する

プロンプトエンジニアリングにおいて、最も基本的かつ効果絶大な「#」の使い方は、Markdown記法のルールに則って「見出し(Header)」として活用し、指示内容を階層化・構造化することです。これにより、AIに対して情報の論理的な親子関係を視覚的かつ意味的に伝えることができます。

Markdownでは、「#」の数が増えるごとに、見出しのレベル(階層の深さ)が下がっていくというルールがあります。これをプロンプトに応用すると、情報の重要度をコントロールできるようになります。具体的な対応関係を見てみましょう。

記述例(Markdown)階層レベルプロンプトにおける役割とAIの解釈
# タイトル見出し1 (H1)最上位のコンテキスト(主題)
プロンプト全体が何のタスクを行うものなのか、最終的なゴールを定義します。AIにとって最も強い指示となります。
## セクション見出し2 (H2)主要な構成要素
「指示」「制約条件」「入力データ」など、タスクを構成する大きな塊を区切ります。話題の転換点として機能します。
### 詳細項目見出し3 (H3)各セクション内の詳細
制約条件の中の具体的なルールや、入力データの中の細かい項目などを記述する際に使用します。

このように階層構造を作ることで、AIは「この指示はどのセクションに属しているのか」を理解しやすくなります。例えば、「# 制約条件」というH1レベルの見出しの下に書かれた内容は、プロンプト全体に影響する強いルールとして認識されますが、「### 文体について」というH3レベルの見出しの下に書かれた内容は、文体に関する局所的なルールとして処理される、といった具合です。

構造化されていないプロンプト(通称:お気持ちプロンプト)では、指示が混ざり合ってしまい、AIが「前の指示と今の指示、どっちを優先すればいいの?」と混乱してしまうことがあります。
しかし、Markdownで見出しをつけることは、いわばAIに「地図」を渡すようなものです。「まずはこの地図を見て、今はどの場所にいるか確認しながら進んでね」と伝えることで、AIは迷子にならず、最後まで一貫性のある回答を生成できるようになります。

実際、OpenAIなどの開発元も、プロンプトを明確に区切るためにデリミタ(区切り文字)や構造化を使用することを公式に推奨しています。これはテクニックというより、AIを使いこなすための「作法」と言っても良いでしょう。

(出典:OpenAI『Text generation – OpenAI API』

深津式プロンプトの命令書や制約条件での役割

深津式プロンプトの命令書や制約条件での役割

日本国内の生成AI活用において、この「#」を使った構造化を一躍有名にしたのが、note株式会社の深津貴之氏が提唱した「深津式プロンプト(深津式汎用プロンプト)」です。このフレームワークは、AIへの指示を曖昧な自然言語ではなく、明確な定義を持った「命令セット」として記述することで、出力の精度と安定性を劇的に向上させる手法として広く知られています。

深津式プロンプトの核心は、「#」を用いてプロンプト内の各要素を明確に「定義」することにあります。単に見出しとして使うだけでなく、プログラミングにおける「変数宣言」や「関数定義」に近い役割を「#」に持たせているのが特徴です。典型的な構成要素とその役割を見てみましょう。

深津式プロンプトにおける「#」の役割分担

  • #命令書: プロンプトの冒頭に配置し、これからAIが行うべきタスクの概要を宣言します。「これはただのお喋りではなく、業務命令ですよ」とAIのモードを切り替えるスイッチです。
  • #制約条件: 出力における禁止事項、文字数、文体、フォーマットなどの「守るべきルール」を箇条書きにします。ここを「#」で明確に区切ることで、AIはこのセクションの内容を「絶対的なルール」として強く認識します。
  • #入力文: AIが処理すべき対象データ(要約したい文章や、翻訳したいテキストなど)をここに配置します。指示とデータを物理的に分けることで、AIが指示文をデータの一部だと勘違いするミスを防ぎます。
  • #出力文: プロンプトの最後に配置し、AIによる生成の開始位置を指定します。ここを空欄にしておくことで、AIは「ここから先を埋めればいいんだな」と理解し、スムーズに回答生成を開始します。

このフレームワークにおいて、「#」はAIに対する「領域(スコープ)の明示」を行っています。「#制約条件」と書かれた下にあるリストは全て制約条件として扱い、「#入力文」の下にあるテキストは処理対象として扱う。この論理的な区分けが明確であればあるほど、AIは複雑な指示でも高い精度でこなすことができます。

逆に言えば、どれだけ良い指示を書いても、構造がぐちゃぐちゃであれば、AIはその指示の重要性を正しく評価できず、無視してしまう(指示漏れが起きる)可能性が高くなります。「深津式」の本質は、テンプレートそのものではなく、この「AIにとって解釈コストの低い構造を作る」という思想にあるのです。

さらに詳しくプロンプトの基礎を学びたい方は、以下の記事もぜひ参考にしてみてください。

初心者も使える役割定義のテンプレートと例文

初心者も使える役割定義のテンプレートと例文

理屈は分かったけれど、毎回ゼロから構造化して書くのは大変そう…と感じる方もいるかもしれません。そこで、初心者の方でもコピー&ペーストですぐに使えて、効果を実感できる「構造化プロンプト」のテンプレートをご用意しました。「#」を使うだけで、プロンプトが驚くほど見やすく、そしてAIに伝わりやすくなります。

このテンプレートは、ブログ記事の見出し案を考えさせたり、メールの文面を作成させたりと、様々なタスクに応用可能です。ポイントは、「#」と見出し文字の間に必ず半角スペースを入れること(# 見出し)です。これがないと、Markdownとして正しく認識されない場合があります。

# 命令書
あなたは熟練のWebライターです。以下の制約条件と入力文をもとに、読者がクリックしたくなるような魅力的な記事タイトル案を作成してください。

# 制約条件
- ターゲット読者: 生成AIの活用に興味がある20代〜30代のビジネスパーソン
- 記事のテーマ: プロンプトエンジニアリングにおける記号「#」の使い方
- 文字数: 30文字〜35文字程度
- トーン: 親しみやすく、かつ有益さを感じさせるもの
- 禁止事項: 煽りすぎる表現や、嘘を含む表現は避けること
- 出力数: 5案作成すること

# 入力文
プロンプトの中に「#」を入れると、AIが情報を構造的に理解しやすくなる。これはMarkdown記法に基づいている。見出しとして使うことで、指示とデータを分けたり、情報の重要度を伝えたりできる。深津式プロンプトでも活用されている。

# 出力文

このテンプレートを使う際のコツは、「指示(命令書)」と「ルール(制約条件)」と「データ(入力文)」を混ぜないことです。
カレーライスで例えるなら、ご飯とルーと福神漬けを最初から全部混ぜて出すのではなく、綺麗に分けて盛り付けるイメージです。そうすることで、AI(食べる人)はそれぞれの味を正しく理解し、最適なバランスで処理することができます。

また、セクションの間に空行を入れることも地味ですが重要です。空行があることで、情報のチャンク(塊)が視覚的にも論理的にも区切られ、AIの解析精度がさらに向上します。「#」を使った構造化は、人間にとっての読みやすさと、AIにとっての処理しやすさを両立させる、まさに一石二鳥のテクニックなのです。

ClaudeではXMLタグとの使い分けが重要

ClaudeではXMLタグとの使い分けが重要

ここで、少しステップアップした「中級者以上向け」の知識をお伝えしましょう。実は、使用するAIモデルによって、「#」よりも好まれる記述方法が存在することをご存知でしょうか?特に、Anthropic社が開発した高性能AIモデル「Claude(クロード)」シリーズを使う場合は、Markdownの「#」だけでなく、XMLタグを用いた構造化が公式に強く推奨されています。

XMLタグとは、<tag>内容</tag>のように、山括弧で囲まれたタグを使って情報の開始と終了を明示する記法です。Claudeは、学習段階でこのXML構造を重視するように調整されているため、複雑な指示や長いコンテキストを与える場合、Markdownの「#」よりもXMLタグの方が、指示の遵守率(Instruction Following)が高くなる傾向があります。

ClaudeにおけるMarkdownとXMLの使い分けイメージ

  • Markdown (#, ##): プロンプト全体の大きな骨組みや、人間が読む際の見出しとして使用するのに適しています。
  • XMLタグ (<instruction>, <text>): 具体的なデータ範囲の指定や、特定の指示ブロックを囲む際に威力を発揮します。特に「入力文」の範囲を明確にする際には、# 入力文とするよりも、<text>ここに文章</text>とした方が、Claudeは「ここからここまでが処理対象のテキストだ」と厳密に認識してくれます。

例えば、Claudeに対して非常に複雑なタスクを依頼する場合は、以下のようにMarkdownとXMLをハイブリッドで使うのが「最強の布陣」と言えます。

# 命令書
あなたはプロの要約作成者です。以下の.text>タグ内の文章を要約してください。

# 制約条件
<rules>
- 300文字以内で記述すること
- 重要なキーワード(AI, Markdown, 構造化)を含めること
- 小学生でもわかる言葉を使うこと
</rules>

# 入力文
<text>
(ここに長い文章を入れる)
</text>

このように、大枠の構造は「#」で作り、中身の重要なデータブロックやルールセットはXMLタグでカプセル化する。
これにより、AIは「構造」と「データ」を完璧に分離して認識できるようになり、ハルシネーションや指示の取り違えが激減します。
OpenAIのGPTシリーズはMarkdown(#)を好む傾向があり、AnthropicのClaudeはXMLタグを好む傾向がある。この「モデルごとの癖」を知っておくと、プロンプトエンジニアとしてのレベルが格段に上がりますよ。

(出典:Anthropic『Use XML tags to structure your prompts』

画像生成や応用編でのプロンプトにおける#の使い方

画像生成や応用編でのプロンプトにおける#の使い方

さて、ここまではテキスト生成AI(ChatGPTなど)の話を中心にしてきましたが、ここからは少し視点を変えて、画像生成AIやプログラミングの世界での「#」の使い方を見ていきましょう。「AIなんだから使い方は一緒でしょ?」と思っていると、痛い目を見るかもしれません。実はこの領域では、「#」は全く別の機能を持っていたり、あるいは全く意味を持たなかったりするからです。

テキスト生成AIと同じ感覚で使うと失敗してしまう「落とし穴」と、逆にこの記号を使いこなすことで便利になる「裏技」をご紹介します。

Midjourneyではハッシュタグが無効な理由

圧倒的なクオリティで世界中を驚かせ続けている画像生成AI「Midjourney(ミッドジャーニー)」ですが、SNS慣れしている私たちがついやってしまいがちな間違いNo.1が、プロンプトにInstagramのようなハッシュタグを入れてしまうことです。「#beautiful #cyberpunk #4k」といった具合に、単語の前に「#」をつければAIがその意図を汲み取ってくれると思っていませんか?残念ながら、Midjourneyのアルゴリズムにおいて、「#」は機能的なコマンドやタグとして一切動作しません。

Midjourneyがプロンプトを解釈する際、基本的には入力されたテキストを先頭から順番にトークン(言葉の単位)として処理します。ここで「#cyberpunk」と入力した場合、AIはこれを「#という記号」と「cyberpunkという単語」が並んでいるだけ、と認識します。つまり、単に「cyberpunk」と入力した場合と比べて、画風への影響力はほとんど変わりません。むしろ、意味のない記号(#)が含まれることで、プロンプト全体にわずかながら「ノイズ」が混じることになり、AIの解釈を邪魔してしまう可能性すらあるのです。

Midjourneyで画風や比率、除外したい要素を指定する場合、正しい文法は「#」ではなく、「–(ダブルハイフン)」で始まるパラメータや、「::(ダブルコロン)」を使ったウェイト調整です。例えば、アスペクト比を変えたいなら「–ar 16:9」、特定の要素を排除したいなら「–no red」のように記述するのが公式のルールです。「#」を使うことは、Excelで計算式を入れるべきセルにスタンプを押すようなもので、AIにとっては「?」な状態になってしまいます。

ここが勘違いポイント!

TwitterやInstagramでは「#」が検索用のタグとして機能しますが、Midjourneyにはそのような「カテゴリ検索」や「タグ付け」の概念がプロンプト内には存在しません。プロンプトはあくまで「描写したい内容の記述」であり、「検索キーワードの羅列」ではないことを意識しましょう。

公式のドキュメントを確認しても、プロンプトの構造について解説されているページには、パラメータリストや構文のルールが詳細に記されていますが、ハッシュタグ形式の記述に関する記載はどこにもありません。自己流の「おまじない」でプロンプトを複雑にするのではなく、公式が推奨するシンプルな構文に従うことこそが、神絵を出力するための最短ルートです。

(出典:Midjourney Documentation『Parameter List』

Stable Diffusionでコメントアウトに使う

Stable Diffusionでコメントアウトに使う

クラウドベースのMidjourneyとは異なり、自分のPCにインストールして使う「Stable Diffusion(ステーブル・ディフュージョン)」、特にWebUI(AUTOMATIC1111など)を利用している環境では、「#」がプログラマーやエンジニアにとって非常に馴染み深い「コメントアウト機能」として使える場合があります。これは、プロンプトエンジニアリングの試行錯誤(PDCA)を回す上で、最強の時短テクニックになります。

通常、プロンプトの一部を削除して生成結果をテストしたい場合、その単語を消して、また必要になったら書き直して…という作業が発生しますよね。
しかし、特定の拡張機能や設定が有効な環境では、行頭に「#」をつけるだけで、その行の内容を「書かれているけれど、生成には使わない(無視する)」状態にできるのです。

(masterpiece, best quality:1.2),
1girl, solo, looking at viewer,
# white dress, (この行は無視される)
black gothic dress,
standing in the garden,

このように記述しておけば、「白いドレスのパターンも後で試したいから、消さずに残しておこう」ということが可能になります。これはまさに、プログラミングコードの一部を一時的に無効化する「コメントアウト」と同じ発想です。
特に、数百文字に及ぶ複雑なプロンプト(呪文)を管理している場合、どの要素が絵に悪影響を与えているかを特定するための「犯人探し」をする際に、この「#」によるオン・オフ機能は涙が出るほど便利です。

ネガティブプロンプトとの混同に注意

よくある間違いとして、「#」をつければ「ネガティブプロンプト(描かないでほしい要素)」になると勘違いされることがあります。
しかし、「#」はあくまで「無視する(記述がなかったことにする)」機能であり、「描かないように指定する」機能ではありません。除外したい場合は、専用のネガティブプロンプト枠に入力するか、「–no」などの適切な構文を使用してください。

Pythonのコード生成でコメントとして機能する

Pythonのコード生成でコメントとして機能する

生成AIの活用は、文章や画像の作成だけにとどまりません。最近では「Cursor」や「GitHub Copilot」、あるいはChatGPTを使ってPythonなどのプログラミングコードを書く機会も増えています。このコーディング支援の領域において、「#」は人間とAIの意思疎通を繋ぐ、最も重要な「共通言語」となります。

Pythonというプログラミング言語において、「#」は「コメント(プログラムとして実行されないメモ書き)」を表す記号です。AIはこのルールを熟知しているため、コードエディタ上で「#」に続けて自然言語で指示を書くと、それを「これから書くコードの仕様書」として読み取り、続きのコードを提案してくれるのです。これを「コメント駆動開発(Comment Driven Development)」と呼ぶこともあります。

例えば、AIに複雑なデータ処理をさせたい場合、いきなり「コード書いて」と頼むよりも、以下のようにコメントで手順を因数分解して記述してあげる方が、圧倒的に精度の高いコードが返ってきます。

# 1. dataフォルダにある全てのCSVファイルを取得する
# 2. 各CSVファイルを読み込み、'sales'列の合計値を計算する
# 3. ファイル名と売上合計の辞書を作成して返す
# 4. エラーが発生した場合はスキップしてログを出力する

import os
import pandas as pd

def calculate_total_sales():
    # ここでAIが上記の手順に従ったコードを自動補完してくれる

この例では、「#」を使って思考のプロセス(Chain of Thought)をコードの中に埋め込んでいます。AIは「#」で書かれた行を「ユーザーの意図」として解釈し、その意図を忠実に再現するPythonコード(def〜の部分)を生成しようとします。つまり、ここでの「#」は、自然言語という「曖昧な言葉」を、プログラミングという「厳密な論理」に変換するための変換アダプタのような役割を果たしているわけです。

プログラミング初心者の方こそ、コードを覚える前に、この「#を使ってAIにやりたいことを伝えるコメント力」を磨くべきです。それさえできれば、実装の詳細はAIが補完してくれる時代になっているからです。

SEO記事作成で見出し構成を自動化するコツ

SEO記事作成で見出し構成を自動化するコツ

ブログ運営者やWebマーケターの方にとって、「プロンプト #の使い方」の知識が最も直接的に役立つのが、SEO記事の作成業務で

しょう。ChatGPTやClaudeに記事を書かせる際、出力形式をMarkdownに指定し、「#」を使って見出しを構造化させることで、WordPressなどのCMS(コンテンツ管理システム)への入稿作業をほぼ自動化することが可能になります。

通常、AIが作ったテキストをWordやGoogleドキュメントに貼り付け、そこからさらにWordPressの見出しブロックに設定し直す…という作業は非常に面倒です。
しかし、プロンプトの制約条件に「記事構成はMarkdown形式で出力してください。H2には##、H3には###を使用すること」と一行加えておくだけで、世界が変わります。

Markdown入稿のメリット

  • コピペ一発で完了: Markdownに対応したエディタ(WordPressのブロックエディタなど)に貼り付けるだけで、## は「見出し2」に、### は「見出し3」に自動変換されます。
  • Googleが理解しやすい: 検索エンジンはHTMLのタグ(H1, H2, H3)を見て記事の構造を理解します。AIに最初から正しい階層構造(#の数)で作らせることで、SEO的に有利な記事骨子を担保できます。
  • 関連キーワードの網羅: プロンプト内で「# 関連キーワードリスト」といったセクションを作り、そこにSEOキーワードを列挙して「これらを本文に含めて」と指示することで、キーワードの抜け漏れを防ぐチェックリストとしても機能します。

さらに応用テクニックとして、記事の構成案(アウトライン)を作成させる段階で、「#」を使った箇条書きリストを出力させ、それを人間が修正してから、「この構造に従って本文を書いて」と再度AIに投げるという「多段プロンプト」も有効です。この際も、「#」が見出しのレベルを定義しているため、AIは「ここはH2だから詳しく書こう」「ここはH3だからH2の補足だな」と、文脈の深さを正しく理解して執筆してくれます。

初心者が覚えるべきプロンプトに関する#の使い方の要点

初心者が覚えるべきプロンプトに関する#の使い方の要点

ここまで、テキスト生成から画像生成、コーディング、そしてSEO対策に至るまで、多岐にわたる「#」の活用術を解説してきました。情報量が多くて混乱してしまったかもしれませんが、初心者のあなたが明日から実践すべき要点は、実は非常にシンプルです。

まず、ChatGPTなどのテキスト生成AIにおいては、「#」はAIに対する「最強の構造化ツール」であると認識してください。「#命令」「#制約」「#入力」のように、役割ごとにセクションを区切る。たったこれだけで、あなたの意図はAIに100倍伝わりやすくなり、「なんか思ったのと違う回答が来るな…」というストレスから解放されます。これは、AIに論理的な思考の補助線を引いてあげるようなものです。

一方で、Midjourneyなどの画像生成AIにおいては、「#」は基本的に「無効」または「ノイズ」であると覚えておきましょう。SNSのハッシュタグの癖でつけてしまわないよう注意が必要です。そして、もしあなたがコードを書く機会があるなら、「#」はAIへの「実装指示書(コメント)」になります。

「たかが記号、されど記号」。
この「#」というたった一文字の使い方を意識するだけで、AIは単なるチャットボットから、あなたの意図を完璧に理解する優秀なパートナーへと進化します。

ぜひ、次にプロンプトを入力する際は、Shiftキーを押しながら「3」を叩いて、AIとの対話を構造化してみてください。きっと、出力される回答のキレが変わっていることに気づくはずです。

よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!
目次